満栄工業株式会社 ~水と空気とこどものために~

満栄工業の技術

活性炭についてActivated carbon

私たちの生活に広く浸透している「活性炭」。
その限りない可能性を追求した結果、さまざまなシーンで応用されるようになりました。
最も注目されているのが、空気や水の汚染物質、悪臭などを取り除き、浄化する力。
ダイオキシン除去など公害対策をはじめ、浄水器、空気清浄機クリーニング、また使い捨てカイロなどにも活用されています。
身近なものから地球規模の自然環境まで、リサイクル可能な「活性炭」は今や、なくてはならない存在に成長しています。

活性炭とはAbout activated carbon

活性炭の構造

活性炭とは椰子殻や石炭、おが屑などの炭素物質(炭素物質または炭素を含む物質)を炭化及び賦活して非常に微細な細孔(ハニカム孔)をたくさん造り、その細孔に吸着作用を起こさせる炭素です。
活性炭は多孔質構造の発達した炭素材料であり炭素内部に網目状に構成される微細孔により大きな内部表面積を持ち、様々な物質を吸着します。
その性質を活かし、広範な範囲の物質の精製・浄化に使用されますが、特に水処理、食品処理、鉱業、自動車、化学薬品、医薬品、環境保全事業等に使用されています。

活性炭の発達した炭素構造

吸着性に優れた炭素構造
炭素の構造は、八角形の微細な細孔(ハニカム孔)から成り立っています。

多孔質構造の発達した活性炭
活性炭は多孔質構造が発達し、網目状に構成される微細孔により、炭の中でも吸着性を最大限に発揮できる構造になっています。

活性炭の分類Classi cation of activated carbon

活性炭は原料から大きく分けて、木からできる「木質系活性炭」、椰子の実からできる「椰子系活性炭」、石炭からできる「石炭系活性炭」が現在の活性炭市場の中で重要な位置を占めています。
それぞれを用途に合わせて使い分けることで、より効果的な活性炭の利用がされています。

炭素であれば活性炭ができますが、用途や吸着性能を考慮した場合、原料は限定され灰分含量の少ない炭素材が要望されます。現在、使用されている原料は、おが屑・椰子殻・石炭が大部分を占めています。この中でも、石炭原料の活性炭は、木質系活性炭の原料のように景気や天候に左右されず豊富に産出するので供給が安定しています。

活性炭は形状から粉末活性炭と粒状活性炭の2つに分けられます。粉末炭は粒子表面積が大きく吸着速度が速いのが特徴です。その反面、取扱い上、粉塵対策が必要となります。粒状炭は形状が様々あり、破砕炭・球状炭・円柱状のペレット炭・ハニカム・繊維状炭等に分けられます。いずれの活性炭も用途やお客様の要望により細孔構造、形状、粒径で使い分けをします。

また、賦活法によっても分けられます。水蒸気賦活炭と薬品賦活炭があり、水蒸気賦活が主流ですが、塩化亜鉛・リン酸・アルカリ金属塩等による賦活法は国内だけに限らず海外でも生産されています。賦活法によってそれぞれ特徴のある活性炭が製造されます。

活性炭の3つの種類

木質系活性炭

木質系粉末炭 MF-1000 の写真

木質系粉末炭 MF-900 の写真

粒子の嵩が比較的大きく、ガスとの高接触効率が特徴です。

木質系活性炭の詳細

椰子系活性炭

椰子系粉末炭 YF-1200 の写真

椰子系破砕炭 YC-4/8 の写真

椰子系活性炭は緻密で硬く微細孔に富んでおり、小さい分子の吸着に優れています。

椰子系活性炭の詳細

石炭系活性炭

石炭系粉末炭 SF-900 の写真

石炭系造粒炭 SP-4/6 の写真

木質系活性炭の原料のように景気や天候に左右されず豊富に産出するので供給が安定しています。

石炭系活性炭の詳細

活性炭と備長炭の比較Comparison of the activated carbon and charcoal

活性炭

活性炭は全体的に備長炭よりも性能が優れておりさまざまな分野で使用されておりますが、燃料としての役割は余り需要はありません。

備長炭

グラフのとおり燃料部分が高いのは、備長炭自身からは炎が出ず火持ちが良いため、おもに焼き物料理店などの燃料に使われています。原料は白炭の一種を使用しています。

表面積の比較
活性炭と備長炭、竹炭(木炭)の製造方法の違い
活性炭の製造法(水蒸気賦活法 )

活性炭は原料に椰子、おが屑、石炭が主に使われます。炭化の工程は備長炭や竹炭とあまり変わりはありませんが、さらに賦活といわれる工程が追加されます。賦活の工程では、原料の炭素分と水蒸気を反応させ細孔(穴)を作ります。原料賦活の温度や時間を変える事で様々な大きさの細孔(穴)を作ることが可能です。表面積は1000㎡/g以上になります。

備長炭、竹炭の製造法

備長炭や竹炭は原料であるウバメガシや竹を、300℃~700℃の温度で炭化を行います。中には1000℃以上の高温で行う場合もあります。
炭化の温度の違いで出来る製品の用途が変わります。
燃料用に使われる備長炭などは比較的低い温度で生産され揮発分を残します。低い温度で炭化された製品は高い温度のものに比べて比較的大きな細孔(穴)が出来、若干の吸着性能がつきます。表面積で200㎡/gから300㎡/gのものが一般的です。
部屋の置物などで使われる炭は高温で処理され、緻密でたたくと金属音がする炭になります。高い温度で炭化された製品は小さな細孔(穴)ができます。

活性炭リサイクルActivated carbon recycling

お客様に使用していただいた活性炭は、使用頻度により活性炭としての性能が低下しています。そこでお客様から返品していただいた使用済の活性炭を、再生することにより活性炭を元の性能に近い状態に戻し、再活性炭として使用いただいています。
これを繰り返すことにより、使用済活性炭を廃棄することなくリサイクルすることで環境保護にも寄与しています。

活性炭リサイクル工程

・使用済活性炭を受け入れる際まず劣化度を調べます。そこで、お客様のニーズに合した再生処理(再賦活)を行い、活性炭を冷却しながら篩別機で粒度調整をし、一度フレコンに出します。
・他社では、熱処理や再生を行う場合、直接管体の中に熱風を送り込む内熱式が多く、細かい粒度のものは吹き飛んでしまい、再生収率が悪くなってしまいます。
・弊社では、熱を外から燃焼させる外燃式を採用しており、管体内のガスの流れを調整することができ、細かい粒度の活性炭の再生処理が可能となっています。
・弊社では小さな再生炉も採用しており、500kgや1,000kg程の少量の再生でも確実にお客様が使われている活性炭をお返しすることが可能です。

満栄工業活性炭リサイクルの特徴

使用済みの活性炭はお客様それぞれにより状態が違います。
一般の活性炭リサイクル工場では持ち込まれた活性炭をいったんまとめて、一気にリサイクルを行います。
満栄工業では、小さな再生炉を完備していますので、お客様個々に対応できるようになっています。